「書く人」のコミュニティを夢想する

プロダクトマネージャー専用のコミュニティ「PM Club」の存在を知った。ほとんど脊髄反射で、これの「書く人」版があったら面白いのに、と思った。

「書く人」のプラットフォームといえば、noteだ。しかし現状、noteはビジネスの匂いがする場所になっている。文章を通じて仕事をしたい・お金を稼ぎたい人のためのコミュニティ。

noteは資本主義社会の余白ではなく、むしろ戦場である。文章をお金に換えるための両替場である。「お金」という価値だけが生み出すことができる、独特の熱気。noteという場は、株式取引所のように「発情している」のだ。

そういった資本主義的な野心が、noteの美しさを損なっている。

もちろん、noteにだって美しい文章はある。だけれど、そういったものを味わうには十分なスペースが求められる。「10倍売れるキャッチコピーの作り方」というタイトルと並べられてしまっては、いかにみずみずしい感性も、かき消されてしまう。

noteが「書く人」に道を開いたことはたしかだ。noteという場のおかげで、文章という武器は現実的なものとなった。「書くこと」を通じて、ビジネスの分厚い岩盤に、個人の力で突破口を開くことも可能になった。

それはそれでとても価値のあることだけれど、ぼくが夢想するのは、もっと文化的な整いを持ったコミュニティだ。

そこで持って帰れるのはビジネスチャンスではない。純粋に文化的な資産である。お金のことを忘れて文化的な人間でいられる空間、そういったものが欲しいのだ。

もし本気で作るとしたら、会員制のサロンのようなものになるかもしれない。

それから、話は少しズレるが、「考える人、書く人」のためのWebメディアを作ってみるのも面白そうだ。ビジネスではなく、文化の側に、こころの側に、足場をおいて。「ビジネスに役立たない」をモットーにして。

こうしたことを夢想するのは楽しい。けれど、今日はこのへんでやめておこう。